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コンステレーションニュース SalinaのN1206現況アップデート 2020.8.24 (2021.3.24追記あり)

Clarke Converse氏がテキサスへのドライブの途上、Salina Regional Airportを通りかかったところ、Gordon Cole氏所有のL749A N1206を見かけた。興味を抱いた氏は車を空港敷地内に乗り入れ、幸運にもこの機体を至近から観察する機会を得た。以下、氏からのレポートを転載する。

スターシップ コニーN1206...彼女は空港の北端エリアに駐機していた。ハイウェイから観察した後、より近づいてみたところ、幸運にも空港内へアクセス可能な人物に出くわし、さらに彼はより至近で観察できるよう案内してくれた。案内をしてくれたその親切な人物は、数年前には(実際にはおそらく30年は前だろう)この機体を飛ばそうとエンジンに大枚をはたいたものだと言った。以来飛行はしていないようで、機体の周囲を歩き回って観察してみた正直な感想はといえば、アルミの機体には腐食した穴が多く空いており、再びの飛行については到底不可能に思えるが、万に一つなきにしもあらずといったところだろうか。

追記: Gordon Cole氏より、Clarke氏のレポート内機体の状態に関する記述について強い異議申し立ての電話を受けたので、以下に内容を記載する。氏曰く、翼に鳥が巣を作っている部分があり、そこから浸水していくらかは腐食がすすんでいる。とは言っても腐食は機体構造には影響はなく、容易に修理可能である。Clarke氏の述べた"アルミの機体には腐食した穴が多く空いており、再びの飛行については私には到底不可能に思える。"部分についても、強い異議申し立てを受けた。

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N1206は1949年に米海軍に納入されたWillie Victor/EC-121プロトタイプ2機のうち唯一の現存機である。2機は、機体上下に備わる巨大なレーダーレドームを補うため、短いL749の機体と、スーパーコニーの尾翼部分の組み合わせにより構成されている。米軍はこの機体コンセプトに感銘を受け、米海軍・米空軍共に、より大きいスーパーコンステレーションの機体を組み合わせたWV-2とEC-121を大量に導入した。本機体は米海軍を退役後、1958年にFAAによって取得されたのち、ロッキード工場にて民間仕様へと改造された。民間レジN120を与えられFAAにて1966年まで飛行し、レジをN1206へ変更しSalinaへ。以来駐機を続けている。

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Gordon氏は本機体を1985年に取得後、1992年11月8日にはテキサスはShermanへ空輸しようと試みたが、エンジンの問題によりSalinaへのATBを強いられている。その後も断続的に整備が続けられており、2009年の7月には私も数日間Gordon氏と共に作業を行った。氏は航空に関しても、またそれ以外に関しても多くのプロジェクトを抱えているが、少なくとも本機体をもう一度だけでも飛行させられるだけの時間が得られることを願ってやまない。Clarke氏のレポートと写真の提供に感謝します。

本記事はRalph M. Pettersen氏運営のサイトConnie Survivors内Constellation Newsを許可を得て翻訳・転載したものです。

www.conniesurvivors.com